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Steam FrameのPCVRがカクつく! Quest 3との比較・遅延対策・録画検証で分かった問題点【実機レビュー】

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予想以上の遅延・・・これは駄目じゃないか?

Steam Frameを購入して約1か月。

スタンドアロンでのVRゲームやPCゲームの動作確認を進めていますが、購入当初から気になっていた問題があります。

それが、PCVR接続時の映像遅延とカクつきです。

Steam Frameには専用の無線アダプターが付属しており、PCとのワイヤレス接続が可能です。

以前からMeta Quest 3のAir Linkで接続が切れることがあったため、Steam Frameではより安定したPCVR環境を期待していました。

しかし、実際に試してみると、接続自体は安定しているにもかかわらず、映像が滑らかに表示されないという問題が発生しました。

今回、SteamVRの設定変更、ソフトウェアの更新、接続方式の比較、さらに録画データの確認まで実施したので、その結果をまとめます。

※本記事は2026年10月27日時点の情報と、10月24日までの実機検証結果を基にしています。

すべてのSteam Frameで同じ問題が発生することを示すものではありません。

1. 検証環境

今回使用したPCとVR機器は以下のとおりです。

項目検証環境
CPUAMD Ryzen 7 7800X3D
GPUAMD Radeon RX 7900 XTX
メモリDDR5 32GB
OSWindows 11
マザーボードASRock B650 Pro RS
PCのネットワーク有線LAN
VR機器Steam Frame(1TBモデル)
比較機器Meta Quest 3
Frame接続方式5GHz Wi-Fi/専用無線アダプター
検証ゲームBeat Saber
SteamOSベータ版0.5.6でも検証

PCの構成としては、一般的なPCVRゲームをプレイするうえで十分な性能があります。

実際、このPCとQuest 3を組み合わせた場合、Beat Saberは概ね快適にプレイできています。

そのため、今回の調査ではPC性能だけでなく、Steam Frame側のストリーミング処理や通信環境にも注目しました。

2. 発生している症状:頭を動かすと映像がカクつく

まず、実際にどのような問題が発生しているのか説明します。

Steam FrameからPCのSteamVRへ接続し、Beat Saberを起動すると、画面の動きに遅延が感じられます。

特に目立つのが、頭を左右に振ったときの映像のガクつきです。

視線を固定している状態では比較的安定して見えることもありますが、頭を動かすと滑らかさが失われます。

Beat Saberのようなリズムゲームでは、こうした表示の乱れが操作感にも影響します。

ゲームを起動していなくても発生する

今回、重要だったのがこの点です。

最初はBeat Saberの処理負荷を疑っていましたが、PC側のSteamVRに接続しただけの待機画面でも、頭を左右に振るとカクつくことが分かりました。

つまり、少なくともBeat Saber固有の描画負荷だけでは説明できません。

一方、Steam Frame本体でSteamVRの待機画面を表示している場合は滑らかです。

同じヘッドセットなのに、PCVR接続時だけ問題が目立ちます。

通信状態は良好なのに改善しない

専用無線アダプターを使用した際の通信状態も確認しました。

  • Ping:約10〜20ms(別の確認では約9.2ms)
  • パケットロス:確認時は0%
  • 接続状態:良好

少なくとも、確認した範囲では通信切断や明確なパケットロスは発生していませんでした。

それでも映像のガクつきは残っています。

もちろん、Pingとパケットロスだけですべての通信品質を判断できるわけではありません。

しかし、今回の問題は単純な電波の弱さや通信速度不足だけでは説明しにくいと感じています。

通信状態は良好。それでもPCVR映像のガクつきが発生している。

3. 実際に試した遅延対策と結果

10月14日以降、複数の対策を実施しました。

対策内容結果
PC側SteamVRをベータ版へ変更一定の改善あり
ビットレート100→60Mbpsほぼ変化なし
中心窩エンコード設定960→708px目立った改善なし
Steamクライアントのベータ版改善確認できず
SteamVRの再インストール多少改善した感触あり
Multi-LinkをOFF改善なし
5GHz Wi-Fiと専用アダプターの比較どちらも症状が発生
SteamOS 0.5.6 Beta根本的な改善なし
専用アダプター単独接続で再確認通信良好でも症状が残存

SteamVRベータ版への変更は一定の効果があった

最初に試した対策の中では、PC側SteamVRをベータ版へ変更した際に比較的大きな変化がありました。

当初はまともにプレイすることが難しかったのですが、ベータ版への変更後は、ある程度プレイできる状態まで改善しました。

ただし、完全に滑らかになったわけではありません。

頭を動かした際のガクつきは引き続き発生しています。

ビットレートとエンコード設定の変更

次に映像転送時の負荷を減らすため、ビットレートを100Mbpsから60Mbpsへ変更しました。

しかし、体感できるほどの改善はありませんでした。

中心窩エンコードの設定も960pxから708pxへ変更しましたが、こちらも目立った変化はありません。

これらの結果から、単純に映像データ量を減らせば解決する問題ではなさそうです。

SteamVRの再インストール

SteamVRを再インストールした後も確認しました。

再インストールによって、以前よりプレイしやすくなったようには感じました。

しかし、頭を振った際のカクつきは解消されませんでした。

部分的な改善はあったものの、根本的な解決には至っていません。

Multi-Linkを無効にしても変化なし

Steam Frameには、Wi-Fiと専用無線アダプターを組み合わせるMulti-Link機能があります。

接続経路が複雑になることで問題が発生している可能性を考え、Multi-LinkをOFFにして確認しました。

結果は改善なし。

さらに専用無線アダプターのみを使用した状態でも、通信ステータスが良好であることを確認しましたが、映像のガクつきは残りました。

SteamOSのベータ版でも解決せず

Steam Frame本体側もSteamOS 0.5.6 Betaへ更新して検証しました。

ただし、Beat Saberで発生するガクつきに根本的な改善は見られませんでした。

Steam Frameは発売以降、頻繁にアップデートされていますが、少なくとも私の環境では、今回試した更新だけでは問題を解決できませんでした。

なお、検証中にGPUドライバーが一度クラッシュする事象も発生しました。ただし、遅延問題との因果関係は確認できていません。

4. Quest 3では同じ問題がほとんど発生しない

今回の検証で特に気になったのが、Meta Quest 3との違いです。

同じPCを使用し、Quest 3でもBeat Saberをプレイして比較しました。

接続方式体感結果
Steam Frame+専用無線アダプター遅延・ガクつきが目立つ
Steam Frame+5GHz Wi-Fi同様の症状が発生
Quest 3+Meta Link非常に快適
Quest 3+Air Link概ね快適
Quest 3+Steam Link概ね快適

特にMeta Linkでは、映像遅延をほとんど意識せずにプレイできました。

Quest 3のSteam Linkでは一時的な停止を経験したものの、Steam Frameで発生しているような継続的なガクつきとは異なります。

もちろん、Quest 3のAir Linkにも接続が不安定になることはあります。私自身、過去には切断問題を経験しています。

しかし、今回比較したBeat Saberの映像の滑らかさについては、Quest 3の方が明らかに良好でした。

同じPCでもヘッドセットと接続方式によって結果が異なることは、原因を考えるうえで重要な手がかりだと思います。

別のPCでも確認してみた

メインPCのRadeon RX 7900 XTXが原因ではないかと考え、ROG Ally XでもSteam Frameへのストリーミングを試しました。

ROG Ally XはRadeon 780Mを搭載しており、メインPCとは処理能力が大きく異なります。

当然ながら画質は低下しましたが、問題となっている遅延については、メインPCと同程度に感じられました。

この結果だけでGPUドライバーの影響を否定することはできません。

ただし、メインPCの絶対的な描画性能不足が主原因である可能性は低くなったと考えています。

5. 録画映像による比較検証

今回、体感だけでは判断が難しいため、Steam Frame単体版とPCVR版のBeat Saberをそれぞれ録画し、映像を比較しました。

Steam Frame単体版は全体的に滑らかに動作していましたが、曲開始時の読み込みによって一時的なガクつきが発生することがありました。

一方、PCVR版では頭を動かした際に映像が滑らかに表示されない問題があり、録画映像でも不連続な動きを確認しています。

ただし、録画方式が異なるため、映像だけでHMD側の正確な遅延時間やフレームレートを判断することはできません。

6. SteamVRのフレームタイミングも調査

続いてPC側のSteamVRでフレームタイミングを表示し、CPUやGPUの処理状況を確認しました。

今回の検証では、アプリケーション側のCPU・GPU処理時間に、症状を十分説明できるような大きな負荷スパイクは見られませんでした。

それでも、ヘッドセットを装着して頭を左右に動かすと、映像は明確にガクつきます。

これは注目すべき結果です。

SteamVRのアプリケーション側の描画処理が安定していても、その後の映像エンコード、転送、デコード、表示まで安定しているとは限りません。

つまり、PC側のフレームタイミング表示だけでは把握できない部分に問題が存在している可能性があります。

SteamVRのフレームタイミングを確認。大きな描画負荷スパイクがなくても、HMD側では頭を動かした際にガクつきが発生した。

7. 原因はどこにあるのか?

ここからは検証結果に基づく推測です。

現時点では原因を特定できていませんが、私は次の処理経路を疑っています。

PCの映像生成 → エンコード → 無線転送 → Steam Frameでのデコード → 映像表示・頭部姿勢への追従

今回の検証から考えると、特にPCVRストリーミング固有の処理に問題がある可能性があります。

理由は以下のとおりです。

  1. Steam Frame単体のSteamVR待機画面では滑らかに動作する。
  2. PCVR接続時は、ゲーム未起動でも頭の動きに合わせてガクつく。
  3. Pingやパケットロスが良好でも改善しない。
  4. ビットレートや中心窩エンコード設定を下げても変化が少ない。
  5. 同じPCでもQuest 3では概ね快適に動作する。

これらの結果から、ゲームの描画負荷だけでなく、Steam FrameとPCの組み合わせにおける映像転送・表示処理を調べる必要があると考えています。

ただし、Radeonドライバー、SteamVR、Steam Link、Steam Frame本体側のいずれに原因があるのかは、まだ判断できません。

8. Valveもストリーミング関連の修正を継続中

2026年10月には、ValveからSteam FrameとSteamVR向けの更新が相次いで公開されています。

10月15日のSteam Frame向け更新では、専用無線アダプターの接続信頼性向上や、Windows側でアダプターがスリープ状態になる問題への対策などが行われています。

また、10月21日に公開されたSteamVR 2.18では、Steam Linkのストリーミング安定性に関する修正が含まれました。

主な内容は以下のとおりです。

  • 一部のパケットロス発生時にフレーム配信が約300ms途切れる問題の修正
  • 一部のAMD GPUで映像の色が不自然になる問題への対策
  • 映像の破損やストリーム停止などの修正
  • 自動ビットレート選択の改善

こうした更新から、ValveがPCVRストリーミングの安定性向上に取り組んでいることは分かります。

しかし、今回の私の症状がこれらの不具合と同じ原因によるものかは不明です。

特に、パケットロスがほぼ0%の状態でも発生するガクつきについては、別の原因が存在している可能性があります。

海外でも類似の症状が報告されている

海外のRedditでも、Steam FrameのPCVRで頭や手を素早く動かすと映像がカクつくという投稿が見られました。

例えば、Ryzen 7 9800X3DとRadeon RX 9070 XTの構成では、SteamVRのベータ版更新やビットレート変更などを行っても改善しないという報告があります。

さらに、GeForce RTX 4090を使用した環境からも、PCVRストリーミングでのフレーム落ちや頭部の動きに関連した症状が報告されています。

このことから、少なくとも類似の問題がRadeon RX 7900 XTXだけで発生しているわけではなさそうです。

ただし、各ユーザーの問題が同一原因であると確認されたわけではありません。

9. 現時点での評価:Steam Frame単体は良好、PCVRには課題が残る

ここまで調査してきましたが、残念ながら私の環境では完全な解決には至っていません。

Steam Frameのスタンドアロン動作については、Beat SaberなどのVRゲームを概ね快適にプレイできています。

また、SteamのPCゲームを本体単独で動かせる自由度の高さも魅力です。

一方、PCVR接続については評価が異なります。

専用無線アダプターが付属し、通信状態も良好なのに、肝心の映像が滑らかに表示されない点は気になります。

Quest 3では同じPCで快適にプレイできているため、現状ではPCVR用途としてはQuest 3を優先して使っています。

Steam Frame自体の出来が悪いというより、PCVRストリーミング環境の完成度にはまだ改善の余地があるというのが現在の感想です。

もちろん、問題なく使用できているユーザーもいるため、Steam Frame全体に共通する不具合とは断定できません。

今後のSteamVRやSteamOSのアップデートで改善されることを期待しています。

10. 今後の追加検証について

今回の調査では問題を完全に解決できませんでしたが、確認すべき範囲はかなり絞られてきました。

今後は、映像のエンコード・転送・デコードにかかる時間や、ヘッドセット側での表示タイミングについて詳しく調べたいと考えています。

また、別のGPU環境との比較や、SteamVRのアップデート前後で症状が変化するかも重要になりそうです。

改善が確認できた場合は、この記事に追記する予定です。

同じようにSteam FrameのPCVRで映像がカクつく方がいれば、使用しているGPUや接続方式、改善できた設定などをコメントで教えていただけると参考になります。

参考情報

※検証結果は私の所有のSteam FrameおよびPC環境によるものです。

ソフトウェア更新や使用環境によって結果が異なる場合があります。

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